2021.11.08
鮮魚情報
【2021年11月度】この時期にしか味わえない 絶品せこ蟹
木々の葉が紅く色づく季節になりました。
市場には、水揚げされたせこ蟹が並び、漁港の床が朱色で埋め尽くされる光景は圧巻です。
金沢市中央卸売市場
せこ蟹は、主に山陰地方で捕れる、卵を持ったズワイガニのメスにつけられた呼び名です。
地域によっては、『セイコガニ』『コッぺガニ』『香箱ガニ』『子持ちガニ』『親ガニ』など、呼び名が異なります。
ちなみに、ズワイガニのオスはかの有名な『松葉ガニ』(山陰地方での呼び名)や『越前ガニ』(福井での呼び名)など、これも地域によって呼び名が異なっています。
ズワイガニのメスであるせこ蟹は、脱皮を繰り返して大きくなるオスに比べて小ぶりで、大きくても300gくらい。150〜200g程度の物が通常の大きさです。
しかし、メスは濃厚なカニ味噌に、2種類の卵を持っており、甲羅の中にある未成熟の卵巣である赤い身の「内子」と、腹部にある黒っぽい色の成熟卵の「外子」があります。
せこ蟹の内子
特に内子は大変濃厚な味わいで、かに味噌と一緒に混ぜて食べると格別です。
外子は数の子のようなプチプチとした食感が魅力で、外子を醤油漬けしたものだとより美味だと言われています。
いずれも、この時期だけしか味わえない大変美味な蟹です。
近年は食通にもとても人気があります。
せこ蟹の漁獲時期は、オスは春先まで漁があるのに対し、メスは資源保護のため、11月初旬から翌年1月初旬までのわずかの約2ヶ月間と限られています。ぜひ、希少なせこ蟹をご賞味ください。