2023.11.30
鮮魚情報
マナガツオは実はカツオではありません
マナガツオと聞いてカツオの仲間だと思う人も多いかと思います。ですがこの「マナガツオ」、名前にカツオと付いていますが、スズキ目マナガツオ科の魚でカツオとは関係がありません。
諸説ありますが、カツオが獲れない瀬戸内海の漁師が、カツオの獲れる季節にこのマナガツオが獲れることから「真似ガツオ」と呼び始めたのと、マナガツオは魚の中でも特に美味しいことから「真にうまいカツオ」という意味で「真名ガツオ」と呼ばれ始めたという2つの由来があります。
マナガツオの旬の時期は、生息地によって差異があります。瀬戸内海では産卵時期の6月から7月の夏にかけてが旬です。一方、東シナ海では冬がマナガツオの漁の最盛期で身も脂も乗っていることから、冬が旬とも言われています。
また、美味しいマナガツオの見極め方ですが、目が小さく澄んでいる、身に張りがありエラが鮮やかな鮮紅色、さらに約2~3kgのものが美味しいと言われています。
マナガツオは関西地方で特に人気で、京都の高級料亭で取り扱われる程の高級魚です。鮮度が良ければ刺身は絶品と言われています。焼き物としては照り焼き、幽庵焼き、味噌漬け焼きなど。料理の方法は多岐にわたります。また、マナガツオの骨は柔らかい為、「骨なます」や「骨せんべい」等で食べられています。
刺身/煮つけ/塩焼き
上記は関西での調理方法ですが、関東ではそれほど珍重されておらず漬け魚の原料として認知されている程度で、「西にサケなし、東にマナガツオなし」などという謂れがあるほど、東西で評価や調理法に差がある魚です。
西日本でしか漁獲ができないマナガツオは、かつて東日本ではほとんど食べられてきませんでしたが、季語になるほどです。冷凍技術が発達した現代において関東でも楽しむことができる魚になってきており、マナガツオは冷凍しても味が落ちにくいと言われています。
中国、特に南の地方では、旧正月にマナガツオを一尾丸ごと蒸して、家族で食べる習慣があり、その時期にはよく中華圏のお客様からご注文をいただきます。
是非、マナガツオを見つけた際にはこの高級魚を食べてみてください。
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