2024.11.14
医療ニュース
注目を集めているオンラインセカンドオピニオン !
10 月 3 日(木)の夜、 2 件のオンラインセカンドオピニオンが行われました。
近年、オンラインセカンドオピニオンが海外の患者様からも注目を集めています。瀛の医療では、患者様からセカンドオピニオンのご依頼があった際には、すぐに医療情報提供書を作成し、画像データと共に各病院の専門医師へ提出して可能な限り早めに実施されるよう努めております。
患者様とそのご家族にとって、一刻も早いセカンドオピニオン実施は、既存の診断や治療計画を踏まえた上で最適な治療に繋がる大きな期待となります。
最近になり、数件のオンラインセカンドオピニオンのお申し込みをいただきましたが、そのうち 2件は10月3日、それぞれ 18:45 と 20:00 に実施となりました。
18:45からは、順天堂大学病院の齋浦明夫教授による膵臓がん患者のオンラインセカンドオピニオンでした。患者の W さんは、中国の病院で膵臓がんと診断され、日本の久留米中央病院を受診し、これまでに 3 回化学療法を受けたとのことで、化学療法を続けるかどうか、手術治療の適応やメリット、副作用などについて医師と相談したいとお考えでした。
齋浦教授は、化学療法は有効であるという見解を示されました。腫瘍マーカー CA19-9 に有意な変化はなく、化学療法が腫瘍増殖をある程度制御したと評価されましたが、薬剤併用の副作用を考慮して、現在受けている化学療法に若干の調整を提案してくださいました。
次に、手術実施の判断基準や手術方法、副作用等についても詳しくご説明いただきました。残念ながらWさんは放射線治療には適応されていないというご意見でした。
また、日常生活上の注意点や免疫療法、順天堂病院での治療の可能性などについて、ご家族からの質問にも丁寧にお答えいただきました。
最後に「化学療法を継続・改善した上で、MRIや腹部検査などにより手術の可能性を検討し、手術の可能性があると判断された場合には、積極的に手術治療を受け入れることが推奨される。そして、術後も医師の指示に従って補助化学療法を継続し、生存率を上げよう」と結論付けられました。
20:00からは、湘南鎌倉総合病院の下山ライ先生による、胃がんと診断された患者様のオンラインセカンドオピニオンでした。
患者のZさんは、今年7月に中国で胃がんと診断されました。胃の全摘手術を受け、現在3クールの術後補助化学療法を受けていますが、抗がん剤の副作用に悩んでおり、化学療法が必要かどうか、さらに化学療法以外の治療法があるかを相談したいという希望でした。
下山教授は、まずZさんの状態を確認し、明らかな再発はないものの、低分化腺がんでリンパ節転移が多いため比較的予後がよくないと指摘されました。また、ステージ IIIA の胃がんの場合、術後の補助化学療法は再発の予防のため続けるべきであると説明し、手術後に化学療法を受けない場合と比較して、術後に補助化学療法を受けると死亡リスクを 30% 低減できる可能性があると述べられました。術後補助化学療法を実施しない場合は経過観察のみになり、他に推奨できる治療法はないと説明されました。
下山教授は、術後補助化学療法の必要性を強調し、標準化された化学療法レジメンを紹介し、その具体的な投与量、治療期間、考えられる副作用などについても詳しく説明をしてくださいました。下山教授のコメントを聞いた後、Z さんは今後も化学療法を続けるつもりであり、副作用対策として日本の処方の制吐薬と下痢止め薬の服用を試してみたいとのことでした。
2件のセカンドオピニオンの翌日、瀛の医療スタッフはオンライン診療記録の概要を患者様にお送りいたしました。セカンドオピニオンは一旦終了しましたが、来日治療、調整などのフォローアップサービスはまだ進行中です…
瀛の医療は、より多くの患者様をサポートし、それぞれに最適な治療計画をご提案できるよう、日々努めております。